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黄金の手 その1

チェコ人は手先が器用な国民という定評があり、黄金の手を持つとも言われています。それでも手仕事の技は守らないと消えていってしまう危険性をはらんでいるのは、いずこも同じではないでしょうか。チェコでは伝統文化の継承を目的にした国立民族文化研究所 があり、民芸品の他、音楽、ダンス、民話、慣習や伝統、農業慣行、建築、民俗芸術など幅広いジャンルで、伝統文化の振興活動が行われています。中で私たちを惹きつけたのが、職人の作業風景の記録ビデオです。ナレーションもBGMもなく、作者の制作過程をひたすらに記録したものですが、工房だったり庭先だったり、自室のテーブルの上だったりと、普段の制作場所で撮影されているので、室内や手道具を見ることができるのも興味深いビデオです。

職人の手作業は、時にリズミカルに、時に力強く、その無駄のない動きに見惚れてしまいます。ナレーションが無いので、職人の脇でじっと手元を見つめている臨場感があります。そして、この映像を見た後は、普段より手元が丁寧になっている自分がいます。
今回は、数あるビデオの中から、ボビンレース、刺繍、民族衣装縫製など何本かをピックアップしました。実際は準備から仕上げまで一部始終を記録したものですが、そのうちの一部を切り取ったものです。その1では女性の職人ばかりが登場しますが、次回は木工やロープづくりなど男性職人をご紹介します。

ボビンレース
ボビンレースは、細い木の糸巻き(ボビン)に巻いた横糸を、模様の型紙に合わせて縦糸に織り込んでいくヨーロッパの伝統工芸です。織り方を組み合わせることによって、指先から無限大の模様や形が生まれます。


刺繍
民族衣装とともに発展してきた刺繍は、地方によってさまざまなパターンや技法があるようです。魚のうろこを使ったものもあります。


次回は木工やロープづくりなど男性職人の手わざを中心にお届けします。どうぞお楽しみに。


チェコ民族文化研究所の職人ビデオはネットショップミラベルカでお求めいただけます。






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by mirabelka | 2014-10-07 23:00 | 黄金の手

チェコ・東欧の手仕事や暮らしのご紹介。このブログは東欧のクラフトショップ ミラベルカのスタッフが書いています。


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