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チェコのボビンレース今昔

ボビンレースは、細い木の糸巻き(ボビン)に巻いた横糸を、型紙に合わせて織り込んでいくヨーロッパの伝統工芸です。
チェコにおけるボビンレース産業の歴史は、1561年までさかのぼることができます。ドイツとの国境近くの西チェコから発祥し、南チェコ、さらに東チェコ(バンベルク方面)へと広まっていきました。チェコにおいてボビンレースを広めたのは、実質的に、家計を支えるためにレースを作っていた炭鉱労働者の妻たちであったと言われています。
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現在、ボビンレースが盛んなチェコのバンベルク地方のレースは1642年ごろから発展し、改革や戦争を越えて、今日まで脈々と受け継がれています。
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バンベルク地方でレースを発展させたのはベルギー出身の領主グランブ侯の妻、マグダレナ・グランボヴァー(Magdalena Grambova)だという記録が残っています。単純なレース技術しか持っていなかった土地の者にベルギーレースを教え、広めました。当時の領民は、領主にレースを納めなければならず、自分たちの生活の糧となるレースを織れるのは、そのノルマが終わってからであったということです。そのために、家族全員がレース産業に携わっていました。バンベルク地方におけるレースは、かつては生活を支える収入源であり、世代ごとに受け継がれてきた技術なのです。

19世紀ごろには、子供が4歳になったらボビンレースの枕(ピロー)を与え、技術を伝承しました。始めは幅の狭いもの、それからだんだん複雑な模様へと課題を変えていきます。2年ほどで、基礎を習得し、作品が売り物になるまでに成長します。6歳ごろにはレースの構造を理解し、製作できるように教えていたそうです。
一心にボビンレースを制作している5人の女の子。一番右の子は足が地面に着いていますが他の子の足は宙ぶらりん。素足の子もいます。皆チェコの特徴である円筒形のボビンレース枕を使い、枕台もバスケットだったり、木の桶だったり、缶だったりと様々です。
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1850年ごろから産業革命が起こり、レース編み機械が登場します。当然ながら、手作りに大きな影響が出ました。これを機に、手作りでは、より斬新なものを作ろうとする動きが生まれてきます。
ミラベルカでご紹介するヤナ・マルティナ(母子ユニット)は伝統工芸に新風を吹き込んでいる新進のボビンレース作家。彼女の付けているアクセサリーは、木綿糸に金属箔を巻いたラメ糸で織られています。一見貴金属に見え、その実、羽のような軽さと、線で織り成す繊細でモダンなデザインです。
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マルティナは2004年にプラハで開催されたOIDEFA世界レース大会ではグランプリを受賞。2006年には、日本ホビーショーで日本の皆様に彼女のアクサリーを紹介したのですが大変な反響を呼びました。
OIDEFAグランプリ作品
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マルティナのボビンレースのアクセサリー、ボビンレース用糸や道具はネットショップミラベルカでお求めいただけます。







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by mirabelka | 2014-05-30 10:36 | ボビンレース

チェコ・東欧の手仕事や暮らしのご紹介。このブログは東欧のクラフトショップ ミラベルカのスタッフが書いています。


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