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暖かい家のひみつ

「日本の家は寒いなあ」と、年末チェコから帰郷すると娘夫婦がつぶやきます。そして、石油やガスの温風ヒーターを嫌がる。「これが平均的な日本の冬のくらしなのだ。」と彼らの言うことに耳を貸さなかったのですが、その後私たちもチェコで暮らしてみて考えが大分変わりました。

チェコの冬は厳しく、ズボンは二重に履き、厚底の靴、しっかりした手袋や帽子で防寒しないと長く外にはいられません。しかし家の中はとても暖かく、薄着で平気。暖房は窓の下に備え付けられた温水パネルヒーター。「えっこれだけで?」と驚くくらいの緩やかな暖房で、室温を22~3度に保ちます。輻射式の柔らかな暖房は、風の吹き出し音がないのでとても静かです。トイレも風呂場も含め、家全体がほっかり暖かい。このうらやましい環境を可能にしているのが断熱効果が高い家です。なぜ断熱効果が高いのか、どんな工夫があるのか、建築中の家を見せてもらいました。

Cさんは、4階建の事務所兼用の自宅を6年がかりで建てており、完成まであと1年という家を案内してくれました。
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分厚いレンガの外壁
 チェコの一般住宅の標準の外壁厚は45㎝だそうです。レンガは穴が開いており、空気層が断熱効果を高めています。レンガに土とカルシュームを混ぜた壁材を塗り、さらに塗装したり、木を張ったりして内装します。
(地震が少ないヨーロッパではこのようにレンガを躯体として使えますが、日本の場合はレンガは外装材としてしか使えません。)
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屋根は木製ですが、断熱材が分厚く詰め込まれています。
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外気を遮断する窓
窓は二重ガラスで高気密。この窓枠は樹脂でカバーされていますが、木製もあります。日本のようなアルミむきだしの窓枠は熱伝導が高いので使わない、とCさん。窓の厚みは約70㎜。しっかりと密閉できます。
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日本の板硝子協会の資料を見ると、家の断熱効果を上げるためには窓などの開口部の断熱を考えることが大切なようです。
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暖房は窓の下に
暖炉の家もありますが、現在では集合住宅も戸建も、温水暖房の家が多く、温水のパネルは必ず窓の下に設置されています。家自体の断熱効果が高いので、さわれるほどの緩やかな暖房で十分暖かなのです。
日本の場合は、石油、ガス、電気などのファンヒーターで温かい空気の流れを作る対流式暖房が多いと思います。日本では気にならなかった風と吹き出し音ですが、これらが無いととても快適なのです。
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暖炉がありますが、窓下には温水暖房パネルも備わっています。(プラハの住宅展示場にて)
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下の写真は、パネラークと呼ばれる集合住宅で、築35年。共産主義時代に建てられたもので、各戸面積は平均60㎡と小さいながら、高断熱で、外気を遮断する窓や温水暖房が整っています。現在も国民の約3割はこのようなパネラークに住んでいるとか。私たちはこのパネラークにも泊りましたが、家中ほっかりと快適でした。
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帰国後
築30年の我が家の断熱効果を少しでも上げるためにリフォームに踏み切りました。
外壁や屋根をすっぽりくるむ工法を採用、窓ガラスはエコガラスに交換。ただ窓枠を樹脂にできたのは一か所だけで、ほとんどの窓枠はアルミサッシのままです。
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断熱効果は大分上がったと思いたいのですが、アルミサッシには結露してますし、パネルヒーターだけでは暖かくないので、メイン暖房はガス温風ヒーターです。
仮にチェコの暖かい家を100点とすると、我が家はリフォーム前が40点だったのが、リフォーム後は60点になったかな、という感じです。
まあ、夏は風通しがいいので、窓を緑のカーテンをで覆いながらですが、それなりに満足して暮らしてはいるのですが。







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by mirabelka | 2014-02-16 16:47 | チェコのくらし

チェコ・東欧の手仕事や暮らしのご紹介。このブログは東欧のクラフトショップ ミラベルカのスタッフが書いています。


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